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プロフィール |
Author:プレパラキッズ大森国語作文教室
東京都、大正文士たちが集った地の、国語作文教室「プレパラキッズ大森国語作文教室」のブログです。 ホームページ http://www.preparakids.jp/ も、よろしくお願いいたします。 ※ 2017.1.23 移転に伴い、教室名を変更しました。(旧教室名:プレパラキッズ大森山王国語作文教室)
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本だな:「走れ!マスワラ」 |
平成24年度 全国青少年読書感想文コンクール
課題図書(小学校高学年の部)より
⇒ 【あらすじ紹介】、【感想文で悩んだら・・・】、【読者としてのひとこと】を。
「走れ!マスワラ」
PHP研究所 グザヴィエ=ローラン・プティ著 定価1,470円(本体 1,400円+税) ☆ プレパラキッズでは、この作品をテキストに、感想文を書く夏期講座を開催します。 詳細は、ホームページ上でお知らせしております ⇒受付は終了しました
【あらすじ紹介】 アフリカ、心臓に疾患をかかえる9歳の少女シサンダ。朝、自分の心臓の音を確認し、生まれてから今日まで、何日生きているのかを、正確に数えるのが日課だ。家族は、工事の仕事のために遠い町に行ったままの父、「レイヨウ」に例えられるほど走ることが好きな母(マスワラ)、薬草や呪術に詳しいおばあさん、そして、ズズ(おばかさん)と呼ばれてはいるが、明るく心優しい叔父。 年に一度の町での診療の時、マスワラは、マラソン大会とその賞金の記事を見て、シサンダの手術費用のために大会へ出場することを思い立つ。サソリに刺された足が治りきらない状態で、大会のスタート地点に立つマスワラ。シサンダや村の人々は、どこからか運ばれてきたテレビに、なぞの発電装置と、急ごしらえのアンテナをつなぎ、その様子を見守るが・・・。
【感想文で悩んだら・・・】 子どもさんに、こんな言葉をかけてみてはいかがでしょうか? 返事が返ってくるものがあったら、それが感想文の立派なモチーフになります。返答・反応がなかなか出てこない質問は、あっさり捨ててください。 「心臓の病気って大変だよね」「子どものために命をかけられる母はすごいよね」「アフリカの暮らしは大変だよね」だけで終わってしまっては、もったいない気がします。登場人物それぞれが、誰かがピンチになった場面で、どんな役割をはたしているのか・・・などを追ってみると、一歩踏み込んだ感想が書けるのではないかと思います。
・ いいな、と思った登場人物は? なぜ、その人がいいと思った? ・ マラソン大会で1位をとった賞金で、シサンダに手術をうけさせようという マスワラのアイディアに対して、どう思った? ・ マスワラ1人ががんばったからシサンダの手術ができるようになったのかな? ・ はっきり書かれていないけれど、最後の場面、シサンダはどうなったのだと思う? ・ 読んでいる途中と、読み終わっていろいろ考えた後とで、自分の感想や意見 が変わった部分ってある?
【読者としてのひとこと】 「チョコレートと青い空」(本年度の課題図書:中学年の部)を読んだ直後だったせいか、1回目に、この本を読んだときに、「う~ん」と頭をかかえてしまいました。「チョコレート~」の方が、よほど現実的で、具体的な問題提起もされていて、高学年が感想を書きやすいのでは・・・、と思ったからです。作者にとっては不本意かもしれませんが、大人の方には特に、この本を「一種のファンタジー」として読むことをお奨めします。アフリカのリアルな状態を知ろうなどという気持ちで読みはじめると、「あれ?」と思う方もいると思います。 ・・・というわけで、気持ちを入れ替えて、再読。この本の中では、登場人物それぞれが、それぞれのやり方で、他人のために力を注ぎ、それが相まってよい結果がやってきます。人知を超えた力も含め、多くの「思い」が調和したことで得られる力を、作者は信じているのではないか・・・。私の場合は、看護師ムワイの言葉が、この物語全体を読み解くキーワードになりました。 ちょっとなつかしい感じのする(ある意味日本的な?)物語です。「たった一人のヒーローやヒロインが、特別な能力と強い意志のみで何かを変えていく」話より、実は、ずっと現実的なのかもしれないと思いました。
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テーマ:子育て・教育 - ジャンル:学校・教育
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