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プロフィール |
Author:プレパラキッズ大森国語作文教室
東京都、大正文士たちが集った地の、国語作文教室「プレパラキッズ大森国語作文教室」のブログです。 ホームページ http://www.preparakids.jp/ も、よろしくお願いいたします。 ※ 2017.1.23 移転に伴い、教室名を変更しました。(旧教室名:プレパラキッズ大森山王国語作文教室)
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本だな:「奮闘するたすく」 |
平成30年度 全国青少年読書感想文コンクール
課題図書(小学校高学年の部)
⇒ 【あらすじ紹介】、【感想文で悩んだら・・・】、【読者としてのひとこと】を。
「奮闘するたすく」 講談社 まはら三桃・作 定価1,512円(本体 1,400円+税)

☆ プレパラキッズでは、この作品をテキストに、感想文を書く夏期講座を開催します。 ☆ 日程他、詳細は、6/1以降、ホームページ上でお知らせ致します。
【あらすじ紹介】
佑(たすく)は夏休みに、クラスメイトの一平とともに、介護施設「こもれび」のレポートを作成することになってしまった。一人暮らしをしていた佑のおじいちゃんが、ヤカンを空だきして煙を出したり、お風呂の水をあふれさせたりするようになったことから、デイサービスを利用するようになっていたのだ。
はじめて見るデイサービスの設備。個性豊かなスタッフたち、そしてこれまた個性豊かなお年寄り。決して入ってはいけないと言われた「花の部屋」をめぐる事件、カラオケ大会、おじいちゃんが語るおばあちゃんとの思い出、お笑いライブ・・・。
佑の目を通して見たデイサービスの日常が積み重なっていく。
【感想文で悩んだら・・・】
小学生のみなさんには、こんな言葉をかけてみてはいかがでしょうか? 返事が返ってくるものがあったら、それが感想文の立派なモチーフになります。 返答・反応がなかなか出てこない質問は、あっさり捨ててください。
・ この物語を読んで、初めて知ったことがありますか? それは、どんなことですか? ・ 特に心にのこった人物は誰ですか? どんなところが心に残りましたか? ・ 介護福祉士の資格を取るためにインドネシアから来たリニさんについて、どんなことを考えましたか? ・ 介護士の林さんに対しておじいちゃんが文句を言った場面、歌いながらのレクリエーションを拒否した場面で、どんなことを考えましたか? ・ 花の部屋にいたキワ子さんについてどんなことを考えましたか? 佑たちが、キワ子さんの部屋に入ったことで、双方、どんなことが変わったと思いますか? ・ おばあちゃんのお墓参りに行って、蝉の幼虫を見つけてきたおじいちゃんの行動について、どんなことを考えましたか? ・ 花の部屋の写真を、レポートに加えることに決めたことについて、どう思いましたか? ・ 身近に、介護を受けているお年寄りがいますか? この物語を読み終えて、お年寄りに対して、今までと考えが変わったことは、ありますか?
【読者としてのひとこと】
佑は、クラスの中にいたら、「目立たない子」なのではないかと思います。慣れない場所で確かに奮闘していますが、何か特別な力を発揮するわけでも、英雄的な行動をするわけでもありません。ただ、孫の小学生としてそこにいて、おじいちゃんを取り巻く世界を見ています。
認知症の症状が徐々に出はじめ、本人にはプライドも羞恥心もあるけれど、全部本人任せにしておくのは危険すぎる。・・・周囲も、おじいちゃん本人も、楽な状況ではないはずですが、物語が暗くなりすぎることなく、また、けっして生ぬるくよどむこともなく進んで行くのは、この普通の小学生、佑の目を通したからこそ、なのかもしれません。
タブーのようになっていた「花の部屋」の写真を、レポートに加えることを決めた後の、佑と一平の会話。 「人間、ぜってー、死ぬんだよな」 「でもそれまでは、生きてるし」 老いや死は、人ならば切り離せないものなのだ、という実感のこもったやりとりだと思いました。
そして、これは主題からはそれてしまいますが・・・ 「こっちから見たら、わけがわからなくても、お年寄りのやっていることには、意味がある」という林さんの言葉をきっかけに、思い出した言葉があります。 「子どもが何と言っているかではなく、なぜ言っているかを考えなさい」
「言う」を「する」に置き換えてみれば・・・多分言わんとしていることは同じだと思います。 気持ちと、行動・言葉がばらばらになりがちな人の心を理解しようとするとき、その方法は相手の年齢を問わないのかもしれません。
※ 本の厚さと、小さめの活字で、最初はウッとくるかもしれませんが、そこさえ乗り越えられれば読み進めやすい本だと思います。一文一文が比較的短い、すっきりした文体です。
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テーマ:塾 - ジャンル:学校・教育
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