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プロフィール |
Author:プレパラキッズ大森国語作文教室
東京都、大正文士たちが集った地の、国語作文教室「プレパラキッズ大森国語作文教室」のブログです。 ホームページ http://www.preparakids.jp/ も、よろしくお願いいたします。 ※ 2017.1.23 移転に伴い、教室名を変更しました。(旧教室名:プレパラキッズ大森山王国語作文教室)
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本だな:「サンドイッチクラブ」 |
2021度 全国青少年読書感想文コンクール
課題図書(小学校高学年の部)
⇒ 【あらすじ紹介】、【感想文で悩んだら・・・】、【読者としてのひとこと】
「サンドイッチクラブ」 岩波書店 長江優子:作 定価1,650円(本体 1,500円+税)

☆ プレパラキッズでは、この作品をテキストに、感想文を書く夏期講座を開催します。 ☆ 日程他、詳細は、6/1以降、ホームページ上でお知らせ致します。 【あらすじ紹介】
小6の夏休み。手応えを感じられないまま、2つの塾の夏期講座に通う桃沢珠子は、いつも気になっていた床のザラザラが、成績上位者リストの常連――羽村ヒカルによるものだと知った。
訳もわからぬままヒカルに連れてこられた公園で、珠子は初めて、砂像造り-サンドアートの世界に触れる。徐々にのめり込んでいく珠子。いくつもの試行錯誤と、対立、交流を経て、珠子は自分が歩き出す方向を見いだしていく・・・
【感想文で悩んだら・・・】
小学生のみなさんには、こんな言葉をかけてみてはいかがでしょうか? 返事が返ってくるものがあったら、それが感想文の立派なモチーフになります。 返答・反応がなかなか出てこない質問は、あっさり捨ててください。
・ 心に残った登場人物は誰ですか? その人のどんなところが心に残りましたか?
・ あなたが珠子の立場で審判になったら、「チーター」と「ライオン」、どちらの像を選びますか? ・ 砂像を壊してしまった杏が、おわびにシャベルを買ってプレゼントすると言ったことについて、どう思いましたか? ・ 砂場で集まる約束を取りやめて遊園地へ行った珠子に、ヒカルがひどく腹を立てたことについて、どう思いましたか? ・ なぜ葉真は審査で勝ちが決まったのに、自分の「キメラ2号」像を壊したのだと思いますか? ・ なぜ珠子は受験勉強を再開したと思いますか? ・ 珠子にとって、サンドイッチクラブはどんな存在だったと思いますか?
・ 本を読む前に、サンドアート、砂像造りを知っていましたか? ・ あなた自身は砂で何かを作ったことがありますか? ・ あなたが今、夢中になれることがあれば、教えて下さい。
【読者としてのひとこと】
おしゃべりを楽しめる友だち、親身になって教えてくれる先生、理解ある両親、望めば塾に通える経済力のある家庭・・・珠子は「恵まれている子ども」に見えます。でも、「わたしのことも見えてるものだけで判断しないで」という彼女の訴えの切実さは、誰もが我が身に置き換えて実感しうるものではないでしょうか。
登場する子どもたちは多彩です。ハングリー精神あふれるヒカル、アーティストとしての自覚を見せる葉真、おしゃべりが楽しい毒舌のちず、裕福な家庭で育った美少女の杏・・・。多くは語られないものの、それぞれにもやもやとしたものが垣間見えます。そんな不完全でバラバラな子どもどうしが、砂像を造る・見守るという活動を通じてつながっていく様は、まさに本来の「クラブ」にふさわしいと思いました。
勉強、習い事、大人の期待、家庭の事情・・・ 子どもにしてみれば、自分が望まぬうちに、無自覚に巻きこまれて参加する物事の、なんと多いことか。
サンドイッチクラブは、それらとは対照的に、子どもたちが自分の意思で作り、選び取った舞台だったと思います。ここでは、砂と自然法則と時間を相手に、自分の望むかたちで知恵を絞り、技を磨くことができる・・・
砂像は、最後にもとの砂に戻すのがルールなのだそうです。もろくてはかない砂像ですが、それを造り出すのは意思と技術を持った人のみが成せること。そして、像が消えた後も残る経験と、新たな思いは、挑戦した人だけの財産だと思います。
本を読み終え、帯に記された「サンドイッチクラブは<挑戦の練習場>」という作者の言葉が響きます。
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テーマ:塾 - ジャンル:学校・教育
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